石鳥谷町(いしどりやちょう)は、岩手県のほぼ中央に位置します。豊かな自然に恵まれ、交通の便も良く、住み良い町です。その美しい自然に育まれた野菜やお米、リンゴなどの農産物の生産も盛んで、花きでは、リンドウも有名です。平成18(2006)年に合併し、花巻市となりましたが、旧町の花は「梅」、木は「杉」、鳥は「トンビ」、そして「リンタくん」という公式キャラクターが活躍していました。
石鳥谷町は日本三大杜氏のひとつ「南部杜氏」発祥の地としても知られ、酒造り340年余りの歴史を担い続けてきました。そして現在もなお、南部杜氏は、日本各地の酒蔵で活躍しています。そんな歴史文化を持つ石鳥谷には、酒まんじゅうや酒ケーキといったお酒にちなんだオリジナル商品も多く、「石鳥谷の味」として贈答品に喜ばれています。
石鳥谷町唯一の駅「石鳥谷駅」は、南部杜氏の里ならではの酒蔵をイメージさせる駅舎となっており、旧「好地村」から「石鳥谷(いしどりや)」という町名が誕生した由来にもなっています。
石鳥谷は、かつて宿場町として栄え、その名残として街道沿いには4つの一里塚があったといわれています。そのうち現在残っているのは国道4号線の東側一基のみとなりましたが、大きさや規模がほぼ当時のまま残っている貴重な史跡として、昭和44年に岩手県指定史跡に指定されています。
花巻市出身で詩人・童話作家の宮沢賢治と石鳥谷町のつながりは深く、石鳥谷農業伝承館では「今・学ぶ、先人の想いと知恵」をテーマに、農業指導者であった宮沢賢治との関わりを知ることができるほか、石鳥谷の農業や行事などの農村文化についても深く学ぶことができます。
石鳥谷町好地地区には、宮沢賢治により開設された「石鳥谷肥料相談所」の跡地があり、敷地内に設置されている説明板には当時の様子が詳しく記されており、賢治と石鳥谷の絆と歴史を感じることができます。
また、イベントが盛んで、日本酒の魅力を堪能できる「南部杜氏の里まつり」や、沢水が凍りついてできた氷柱の太さでその年の作柄を占う「たろし滝測定会」をはじめ、一昨年30周年を迎えた花火大会「石鳥谷夢まつり」、昨年第40回目となった「石鳥谷まつり」など、それぞれの季節を彩る風物詩として町民に親しまれています。