• 石鳥谷の全てがここにある!?

    「佐藤精肉店」 代表 佐藤 武夫さん

    石鳥谷に生まれ、石鳥谷に育ち、石鳥谷を愛し、石鳥谷町民の食を守る、生粋の石鳥谷人!
    佐藤精肉店 佐藤 武夫(たけお)さんの登場です!

    佐藤 武夫(74)さん

    石鳥谷町生まれ 石鳥谷町育ち

    おばあさんが石鳥谷中央通り商店街の一角に「佐藤精肉店」を開業し、武夫さんで三代目。

    店内に入ると「いらっしゃい!」と元気な声が店の奥から聞こえてきます。武夫さんはいつも持ち前の明るさと笑顔でお客様を出迎えます。

    「佐藤精肉店」の歩み

    佐藤精肉店
    新鮮なお肉が並びます
    店内
    小さなスーパーのような
    品揃えです

    佐藤精肉店は、開店当初から美味しく安全なお肉を手頃な価格で販売しています。しばらくは精肉店一本で営業していましたが、近隣にスーパーが無かったことから、地域の方々の生活の利便性を高めるため、日配食品やお菓子など徐々に取扱商品を増やしていきました。

    一時期は、盛岡の丸藤さん(現在は閉店)のケーキを販売していたこともあったそうです。
    「なぜ肉屋さんにケーキ?」という声も少なくなかったそうですが、「懇意にしている方のすすめでね。当時はケーキなんてまだ珍しかったから、飛ぶように売れたんだよ~」と目を細めます。

    他にも、毎日のように店頭で唐揚げや焼き鳥などのお惣菜を販売していたそうですが、武夫さん曰く「これも時代だねえ」。自家用車の普及とともに徐々にお客様の流れやニーズに変化があらわれ始めます。それを察知した佐藤さんは、ショーケースでの販売を止め、注文を受けてから作るスタイルに変えたそうです。

    変化する町で“今できる事”を

    武夫さんがお店で働き始めたのは、22歳の頃。当時は7軒あった精肉店も今は佐藤さんのお店1軒のみになってしまいました。足掛け50年、町がどんどん変化していく様子を目の当たりにしながら、その都度“今できる事”を考え、必死に駆け抜けてきた武夫さん。

    「時代に合わせて変えた事もあれば、新しく挑戦した事もあるよ!」

    それは、今や同店の名物となった「佐藤のホルモン鍋」。

    名物誕生の原点となったのは、旧石鳥谷商工会青年部が中心となって企画・開催された大型イベント。武夫さんにイベント出店の依頼があり、どうせ出店するならお店にあるもので、肉屋としての特徴を活かしたものを販売したい!と思ったことがきっかけだそうです。

    武夫さんは、当時、全国的に人気が高まっていた“ホルモン鍋”に着目します。臭みを取るためにしっかりと下処理したホルモンと、ニラなどの野菜、つきこんにゃくをお鍋に入れ、しょうゆベースのピリ辛スープと一緒にじっくり時間をかけて煮込み、「佐藤のホルモン鍋」の原点が完成。イベントで販売したところ、瞬く間に売れていったそうです。

    ご近所の方は鍋を持参して、
    「〇人前お願い」という注文が多いそうです

    後日、「あのホルモン鍋はどこで食べられるの?」「次はいつ販売するの?」などの問い合わせが来るようになったそう。じわじわと評判が評判を呼び、「佐藤のホルモン鍋」として町民に定着していきます。

    平成21年から、町おこしのイベント「酒蔵まつり冬の陣 N-1グランプリ」、通称“鍋ワン”がスタート。会場のビバハウスいしどりやに町内外の自慢の鍋が勢揃いし、来場者にお気に入りの鍋に投票してもらい、グランプリが決定します。

    初回から参戦した武夫さんの「佐藤のホルモン鍋」のブースには行列ができ、終了時間を待たずして完売する人気ぶり! 文句なしの優勝、そして翌年もグランプリ! 堂々の二連覇を達成し、N-1グランプリ殿堂入りが決定しました。

    「N-1のおかげで石鳥谷だけじゃなく、市外の人からも注文が来るようになったよ」と武夫さん。

    小さな百貨店ぷらっとで毎月15日に開催される「ぷらっと市」でも、その人気ぶりは健在。特製ダレで仕上げる自慢の焼き鳥(これもホントに美味しい!)と並んで、佐藤精肉店の看板商品となっています。

    N-1グランプリ
    2020年のN-1チラシ
    (今年は残念ながら開催されません)

    石鳥谷の未来

    佐藤精肉店

    最後に、佐藤精肉店の代表として、また、生粋の石鳥谷町民として、石鳥谷町の未来についてどう考えていらっしゃるかお聞きしてみました。

    「昔はお店もずらーっといっぱいあったし、よ市なんかもやって、この通りは昼夜賑わっていた。それはそれはいい時代だったよ。でも年々どんどん町が寂しくなっていって、なんとかしないと石鳥谷が終わってしまうのでは…という危機感はある。時代には逆らえないから、昔のような賑わいを取り戻すのはなかなか難しいとは思うけど、若い人たちになんとか頑張ってほしいね」

    「ここまでやってこれた秘訣?お金のためかな(爆笑)」
    「まあそれは冗談として、今や肉屋は石鳥谷には一軒しかなくなったし、なんとか絶やさないよう、今まで通り求められることに応えてやっていくだけだな」と、笑顔で締めくくってくれました。

    取材時、ご来店されていたお客様が、「ここの肉はスーパーよりちょこっと高くても、お金出した甲斐があるほど、うまいよ~」とお肉が並ぶショーケースを眺めながら話していらっしゃいました。「いやいや~」と笑いながら謙遜していた武夫さんですが、そのまなざしからはプライドを持って精肉を扱ってきた自信が垣間見えました。

    おわりに

    「石鳥谷げんきびと」の取材に来ました~!と、お店に入ると、お客様が「げんきびと! 佐藤さんにピッタリだ!」と笑っていました。

    実は、隠れた名物の“馬刺し”や、唐揚げ、トンカツなども、受け取り時間に合わせて作ってくださいますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

    これからも、その持ち前の明るさで、石鳥谷町民の食を守り続けて下さい!

    佐藤精肉店

    住所:花巻市石鳥谷町好地16-106
    電話:0198-45-2141


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