今回の「げんきびと」は、41年にわたり花巻商工会議所のお仕事を通じて石鳥谷の事業者をサポートし、この3月で定年を迎える、八重樫 笑子(えみこ)さんです。
いつも明るく来所者をお迎えする姿が印象的な八重樫さん。
これまでのお仕事のお話しとその元気の秘訣をお伺いします!
生まれも育ちも(現在も)花巻市湯本。
昭和55年「石鳥谷町商工会」入所。
(合併のため)平成20年「花巻商工会議所石鳥谷支所」となった1年後、本所に異動。平成27年に再び石鳥谷支所に戻り、6年。この3月で定年を迎えます。
スタッフ:いつも思っていたんですが素敵なお名前ですよね~
八重樫さん:そう! 「笑う子」で「笑子(えみこ)」って読むんだけど、とても気に入ってます。改めて由来を聞いたことはないけど「いつも笑顔でいてほしい」ということかな?と😊
スタッフ:本当に、八重樫さんにピッタリですよね!
お仕事のことは後ほどゆっくりお聞きするとして、ご趣味なんかも教えてください!
八重樫さん:実は、プライベートでも石鳥谷と深い関わりがあって。父は石鳥谷町八幡地区の出身で、私よりも地域住民の皆様のほうが私のことや家族のことを知っているので、入所したての頃はそれにびっくりしました。
夫との出会いもしかりで、商店街の歳末セールの景品だった「沖縄旅行」に行った時、夫のお兄さん(石鳥谷在住)も参加していました。そこから弟さん、つまり現在の夫を紹介されたのがきっかけで、ご縁があって結婚。以来、仲良く35年連れ添っています。55歳を過ぎてから始めたゴルフは、今や夫婦共通の趣味となりました。
個人の趣味としては、お菓子作りや、歌を歌うことも大好きです♪
スタッフ:石鳥谷に初めて赴任した時の思い出はありますか?
八重樫さん:赴任した時というより、就職試験で当時の商工会館に来た時の雰囲気の方が印象に残っています。とても古い会館で、暗いイメージでした(笑)
いざ働き始めてみたら、職場の皆さんがいい人ばかりだったので、がんばれました。本当に皆さんに育てていただきましたね。
スタッフ:八重樫さんから見た石鳥谷はどのような印象ですか?
八重樫さん:人の良い方々が多いです。少し保守的な部分があるかな?とは思いますが、あまり自己主張せず、奥ゆかしい方が多い印象です。
とはいえ、私の地元の湯本と石鳥谷はそんなに離れているわけではないので、そこまで驚くような違いなどを感じたことはありませんでした。
スタッフ:以前の石鳥谷と今の石鳥谷を比べてみて思うことはありますか?
八重樫さん:古き良き時代と言いますが、たしかに昔は青年部の方々が活発に活動し、イベントを積極的に企画・実施していました。酒まつりや杜氏の里まつりの原点となる事業も開催され、石鳥谷まつりは私が入所した年に華々しくスタートしました。当時は町に活気があふれていました。
とはいえ現在も、伝統行事のみならず新規のイベントを企画するなど来街者を呼び込む努力をしている方々が沢山いらっしゃいます。
ひとつだけ言うとしたら、昔に比べて「ここのお店ならこれ!」という、各店を象徴するような逸品というか、そういう特徴を持つお店が少なくなったかな…とは感じています。そもそもお店自体が少なくなっていることもありますが…。
スタッフ:心に残っているエピソードはありますか?
八重樫さん:商工会入所と同時に「商工会婦人部」を担当したことです。当時は、商工会で紅一点だったこともあり、婦人部のお姉さま方に可愛がっていただきました(笑)初めてで分からないことだらけ! 失敗もありましたが、色んな方々との出会いがあり、成功した時は皆で喜びを分かち合い、とても充実感がありました。異動後に30周年行事も担当し、感無量でしたね。
それと、東京で開催された物産展に向かう際、人生で初めて飛行機に乗ったことも良い思い出です。
そうそう、当時はまだ駅前にあった砂田屋さんで人気だった「カクテル最中」も印象深いです。初めていただいたお給料で買った思い出の一品です。シュー生地で餡を包んだもので、とてもおいしかったんですよ!
スタッフ:初任給で!素敵なお話しですね~
八重樫さん:あと、あまりよろしくないエピソードですが…
当時、スタンプを貯めてお得にお買い物ができる「石鳥谷スタンプ」というものがあって多くの方が利用していたのですが、そのスタンプの偽造事件が発生…身近でこんなことが起きるなんて…と当時は衝撃でした…。
振り返ってみると、41年間、本当に色んなことがあったなあと改めて思います。
スタッフ:誰に対しても明るく親しみやすい八重樫さんですが、入所してから現在まで、どのような思いでお仕事をされてきましたか?
八重樫さん:石鳥谷町商工会に入所した当時、先輩方が事業者さんに親身に接している様子を見ていたので、自然と身につきました。事業者さんにとって身近な存在であることが当たり前の光景でしたし、それが大切なことだと今も思っています。
事業者さんが困っていたら手を差しのべる。
分からないことがあったら一緒に調べる。
それが結果的に自分の知識にもなる。
専門職として仕事をしている以上、分からないままでは終わらせたくない気持ちもありました。
スタッフ:いよいよ定年を迎えますが、現在の心境をお聞かせください。
八重樫さん:41年、本当にあっという間でした。沢山の人と出会い、人に恵まれた41年でした。とにかく私は出会いに恵まれていると思います。怒られたことも沢山ありましたし、悔しい思いもしました。でも、その経験すべてが今の自分を作ってくれています。叱咤激励を受けて、人間として成長させていただきました。
私は巡り会いに恵まれていたなと今しみじみ思います。
そう思わせてくれる41年間でした。
スタッフ:これからの目標やプランなどはありますか?
八重樫さん:嘱託職員としてもう少し、花巻商工会議所石鳥谷支所にお世話になる予定です。自分が41年間で学んできたこと、知り得たことを、後輩にも伝えていきたいです。そうそう、娘も、弘前市で私と同じ仕事をしているんですよ! 嬉しいものですね。
あとは無理をしすぎず、趣味を楽しみつつ、孫と遊びつつ(笑)
夫と仲良く元気に暮らしていければいいかなと思っています。
八重樫さんがふと呟いた「笑顔に勝る化粧はない」という言葉がとても印象的でした。一旦定年を迎える八重樫さんですが、しばらくは花巻商工会議所石鳥谷支所でその笑顔を拝見できそうです。これからも持ち前の明るさで頑張って下さい…!