旧稗貫郡石鳥谷町(現花巻市石鳥谷町)生まれ
大正15年創業の老舗和菓子店
「菓匠 丸文」三代目
令和7年6月 道の駅 石鳥谷を運営する
(株)石鳥谷観光物産 代表取締役 就任
その他 花巻商工会議所石鳥谷支部 会長など
多くの役割を担い 地域を支えている

令和5年7月に道の駅石鳥谷がリニューアルオープンして以降、徐々に集客数・売上ともに増加しています。岩手県第一号の道の駅として、国道4号沿いという立地の良さに加え、駐車場の拡張やトイレの改修により利用しやすい環境も整いました。その一方で、さらなる集客につながる大規模なイベントの開催には、これまでなかなか踏み出せずにいました。
私自身が社長に就任したことを一つの転機と捉え、「少しでも道の駅を動かし、にぎわいを生み出したい」そして「そのにぎわいを商店街へも波及させたい」という想いから、現在少しずつ新たな取り組みに着手しているところです。
昨年11月15・16日、道の駅石鳥谷 秋の感謝祭として花巻市内のスイーツを集めた「花巻スイーツコレクション2025」with花北青雲高校を開催しました。地元・花北青雲高校の皆さんのご協力もあって、両日とも大変なにぎわいとなりました。スイーツ販売をはじめ、ビンゴ大会やワークショップなども高校生の皆さんを主役に大いに盛り上がり、改めて“若い力がお客様を動かす大きな原動力になる”と実感しました。
また、こういった実践的な活動を通じて高校生たちの自主的な行動にもつながったと感じており、今後も継続的に実施していきたいと考えています。



今年2月21日に行った「新酒と鍋まつり」についても、テレビ局による告知放送の効果もあり、多くの来場者にお越しいただきました。当日は、お隣の紫波町から酒蔵の皆様にもご出店いただき、試飲やお酒の説明を通じて、ご来場の皆様に貴重な体験を提供できたのではないかと感じています。さらに、お酒に合う鍋の出店もたいへん好評でした。
もちろん、今後に向けた課題も見えてきましたが、実際にやってみなければ課題は見えてきません。
まずはやってみることが大切だと考えています。



「石鳥谷には楽しい道の駅がある」と感じていただける場所にしていきたいと考えています。
石鳥谷には、まだまだ伝えきれていない魅力がたくさんあるはずです。その魅力を道の駅から積極的に発信し、より多くの方に知っていただける場にしていきたい――その実現に向けて、スタッフはじめ地域の皆様にもご協力いただきながら、皆で一緒に目指していきたいのです。
道の駅と商店街は、車での移動が必要なほど距離が離れており、現状では人の流れがつながりにくい状況です。また、商店街についても、以前と比べて来街者が減少しているという課題があります。そのような中で、道の駅がにぎわいを見せている今、双方をつなぐ仕組みをつくることで、道の駅と商店街の両方が活性化していくことが理想だと考えています。

息子である四代目が戻ってきてくれたことは、継承という意味でも非常に心強く、良い流れになっていると感じています。
また、息子の妻がInstagramを通じて和菓子の魅力を積極的に発信してくれているおかげで、テレビやラジオ局の目に留まる機会も増え、お店への注目度も高まってきました。
こうした若い世代ならではの感覚も取り入れながら、家族で力を合わせ、これからさらにより良い店づくりを進めていきたいと考えています。
私自身、東京で6年間和菓子づくりの修業を積み、石鳥谷へ戻ってきました。しかし、数年離れていただけでも、どこか自分の居場所がなくなってしまったように感じました。
だからこそ、自ら率先して町や商工会の役職を引き受け、地域に関わることで自分の居場所を築くとともに、まちの活性化に関わる活動へ積極的に取り組んできました。
その中で、当時と比べて商店街の店舗数が減少し、高齢化も進んでいることを強く実感しています。石鳥谷で生まれ育った身として、石鳥谷が衰退していく姿を見るのは、やはり寂しく、悲しい思いがあります。
道の駅の社長に就任した際、私はすぐに地域おこし協力隊の招へいを市へ申し出ました。
「商店街をなくしたくない」「もっと盛り上げたい」「道の駅もこれまで以上に動かしていきたい」という想い、そして、このままでは石鳥谷が終わってしまう――そんな危機感もありました。
そこで必要だと感じたのが、“新しい目線”でした。
外から見た石鳥谷のよいところ、地域の人が気づいていない魅力を発見してもらいたいと考え、「石鳥谷の魅力発信でつなぐ、つながる道の駅石鳥谷×商店街」をテーマに地域おこし協力隊を募集しました。
まずは道の駅の運営や発信に携わっていただき、協力隊ならではの視点を取り入れながら一緒に活性化を目指し、将来的には道の駅と商店街をつなぐ役割も担っていただくことで石鳥谷全体のにぎわい創出につなげていきたいと考えています。
※今年4月に1名着任されました!
石鳥谷にはまだまだ大きな可能性がある。
道の駅、商店街、地域が一つにつながり、まち全体が元気になる流れを、関係団体の皆様や地域おこし協力隊と共につくっていきます。

中村社長の、石鳥谷に生まれ石鳥谷が大切だからこそ生まれる危機感と、にぎわいを創出したいという想い。その想いを原動力に、道の駅から始まる新たな挑戦が地域の未来を少しずつ動かし始めています。
すべてを見据えながら歩みを進める社長のお話からは、この町への強い想いが感じられました。
文・撮影:なかっち
編集・撮影:よっち